大阪府

漆造形の旗手 栗本夏樹の世界

天然の塗料である漆は、古くから日用品や調度、建築装飾などに多用され、その独特な美観でもって、日本の伝統的な住まいやくらしの中に彩りを添えてきました。大阪出身の造形作家である栗本夏樹は、日本人の生活文化と密接に関わってきた漆という素材を、新たな生命を吹き込む神聖な存在と捉え、現代の生活空間を飾る様々な作品へと昇華してきました。

栗本が漆を塗る対象は流木や樹皮、石などの自然物をはじめ、使用されなくなった紙管や自動車のボンネットなどの人工物にも及びます。1994年には大阪南港にあるアジア太平洋トレードセンターで行われたモニュメント制作の指名コンペティションに参加。この時に選出された“アジアの中の私”は、1996年のおおさかパブリックアート賞を受賞し、これを機にその活躍の場は公的な空間に置かれる造形物にまで広がりました。

本展では立体、平面、器物を中心とした栗本の過去から現在に至るまでの代表的な作品を一堂に集め、栗本が取り入れてきた表現の移り変わりを概観することができます。長い歴史の中で育まれてきた伝統的な美を継承しつつも、新たな発見に満ちた漆造形の世界をご覧ください。

開催概要

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