東京都

彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動 工場で、田んぼで、教室で みんな、かつては版画家だった

誰でも、子どもの頃に版画を作ったことはあるのではないだろうか? 日本の多くの学校で版画を学ぶのは、版画を普及した戦後の文化運動と深い関りがある。
本展は、戦後日本で展開した2つの民衆版画運動を紹介する。ひとつは社会運動を版画で伝え、アマチュアに版画を広めた「戦後版画運動」(1947~1950年代後半)。もうひとつは戦後版画運動から派生し、全国の小中学校の教員が学校教育のなかへ版画を広めた「教育版画運動」(1951~1990年代後半)だ。
これらの運動の原点には1947年に日本で紹介された中国木刻(木版画)の存在がある。現実を切り取った中国木刻のリアリズムは、戦争の傷や苦しい生活に悩む当時の人々に大きなインパクトを与えたのだ。
2つの民衆版画運動のなかで作られた作品には平和への願い、社会へのまなざし、工場や農家の仕事、田舎から都会まで様々な土地での生活が実感をもって刻まれている。約400点の豊富な作品と資料を通して、これまであまり知られることのなかった版画史の一側面に光を当てることで、戦後の開発と発展のかたわらにある「もう1つの日本」が浮かびあがってくるだろう。

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