東京都

日本の映画館

いま全国の映画館は、一か所に多くのスクリーンを持ち効率的経営を行うシネマコンプレックス(シネコン)が主流になり、映画が娯楽の王者だった時代の豪勢な大型劇場や、どの都市の街角にもあった小さな映画館の多くは姿を消していた。東京浅草に日本初の映画常設館が誕生してから120年近く経つが、その間、どんな空間で映画を楽しんできたのか。
「映画館で映画を見る」という何げない行為も、震災、戦争、復興、経済成長といった社会情勢や、人々の暮らしのモードの変化とともに移り変わってきた。本展は、映画館の写真、プログラム、雑誌・書籍、実際に映画館で使われた品々などを通して、映画館の誕生、映画興行の発展期からミニシアターの時代まで、シネマコンプレックス登場以前の日本の「観客の映画史」に迫る。とりわけ、往年の貴重な興行資料を軸に、二つの大都市(川崎・北九州)の例を通して、映画館と人々のかかわりを示すとともに、建築としての映画館の変遷や、人の目に触れにくいフィルムの映写という技能にも着目する。
インターネット配信による鑑賞がますます根づき、また新型コロナウイルス感染症のあおりで映画館運営が厳しさを増す現在、映画館に人々が集うことの意義を再び確認するとともに、映画の持つパワーを映画館という場所から捉え直す好機となるだろう。

開催概要

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木村利三郎展

ニューヨークで活躍した画家の木村利三郎(1924~2014)。「都市」をテーマとし、ビル街で生きる人々の雑踏や喧騒をシルクスクリーンという版画技法で独自の視点と世界観を織り交ぜながら鮮やかに描いた。特徴的な幾何学模様は窓

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