広島県

特別展「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」

アーツ・アンド・クラフツは、19世紀後半のイギリスで興った、日常生活のありとあらゆるものをめぐるデザイン運動である。この運動を先導したウィリアム・モリスは、産業革命に伴い出現した機械による劣悪な量産品、また機械のように人が働く体制を批判し、仲間たちと協力して、ものづくりの喜びにあふれた、人の手による上質で実用的な美術工芸品を生みだした。仲間たちとともに、壁紙や家具を製造する商会を設立し、有用で美しいものに囲まれた、人間らしい暮らしを提唱したのだ。モリスの思想と実践は、同時代の作家や芸術家たちに広く受け入れられ、テキスタイルや壁紙、家具など、作り手の個性と温もりを表わした多彩な作品が生みだされた。画家と建築家、陶芸家、職人などが一丸となった総合芸術の探求は、イギリスからヨーロッパ全土、またアメリカや日本にまで広がった。日常品の有用性と美しさの両立を目指したアーツ・アンド・クラフツ運動の取り組みは、モダン・デザインの原点ともいわれる。
本展では、この運動の実践者として先頭を切ったウィリアム・モリスのインテリア・デザインから、アメリカでアーツ・アンド・クラフツ運動を独自に消化した、20世紀を代表する建築家フランク・ロイド・ライトのステンド・グラスまで、約170点を展示。手間を惜しまず、高度なプリント技法が用いられたモリスの名作《いちご泥棒》や、玉虫色が美しい、独自に開発したガラスが用いられたティファニー・スタジオの卓上ランプなど、暮らしを彩る多様な作品が楽しめる。

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