栃木県

特別企画展 王欽古 京から来て、佐野に住んだ南画家

幕末から明治の佐野で活躍した画家を発掘する展覧会。
王(加藤)欽古(おう・きんこ、1830~1905)は、京都の「六角通柳馬場」の商家の次男として生まれた。四条派の画家が多く住む地域で、21歳まで独学したのち小田海僊に入門。海僊は四条派の祖・呉春に学び、中国画学習を重視する「文人画」に転じた画家である。その後欽古は西国(現・山口県ほか)遊歴・江戸滞在を経て、関東・信越を遊歴、慶応3年(1867)には田沼宿(現在の佐野市)の加藤家を相続した。当地は谷文晁系の画家がよく訪れた地域で、翌年には高久靄ガイと親交のあった葛生の吉澤家でも滞在・制作している。遊歴の一方で「第一回内国絵画共進会」(明治15年)など全国規模の美術展にも出品、受賞を重ねていく。山水・人物を得意とした欽古は、上方由来のレパートリーに関東の流行を取り入れ、地域に受け入れられた。自宅近くの西林寺では、欽古を祝う書画会が二度開かれている。
明治後半には衰退したといわれる「南画」だが、地方では長く親しまれ、近代美術への影響が近年注目されている。佐野出身の歴史画家・小堀鞆音と交流があり、岡田蘇水(文展出品)らを育てた欽古の活動は、江戸から近代への連続性を体現しつつ、同時代の田崎草雲(足利)とは異なる要素をそなえていた。
平成19年に佐野市郷土博物館で『佐野の近代日本画―小堀鞆音と王欽古』が開かれているが、美術館では初めての単独展となる。欽古の画業を知ると共に、佐野の文化的豊かさや画家と社会の関係に着目した展覧会となる。
※会期中展示替えあり

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