カラーフィールド 色の海を泳ぐ

カラーフィールドは1950年代後半から60年代にかけてアメリカを中心に発展した抽象絵画の傾向である。大きなカンヴァス一面に色彩を用いて場(=フィールド)を創出させることで、広がりある豊かな画面を作り出した。
本展は、このカラーフィールド作品の収集で世界的に知られるマーヴィッシュ・コレクションより、関連する作家9名に焦点をあて、1960年代以降の出色の作品を紹介する本邦初の展覧会である。彼らは、色彩と絵画の関係を各々の方法で模索し、その過程で多くの作家が独自の描画に至った。変形的な外形を持つシェイプト・カンヴァスの使用や、絵具をカンヴァスに染み込ませるステイニング技法、あるいはスプレーガンの噴霧で色を蒸着させる画法など、従来では考えの及ばなかった手法を考案し、絵画に新たな地平を切り拓いたのだ。
こうして創出された空間を満たす大画面と、そこで展開される様々な色彩についての思考は、今なお見るものの感覚や想像力を刺激してやまない。作品が体現する色の世界、その海を泳ぐ私たちは、色の波に身をまかせ、溺れ、時に抗いながら、絵画と色彩の無限の可能性に出会うだろう。色の海を泳ぎきった先には、きっと、私たち自身の中にある彩り豊かで、高潔な、けれど同時に暗く、黒いものをも包む、美しい地平を感じとっていただけるのではないだろうか。
(DIC川村記念美術館公式サイトより)
開催概要
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会期
2022.03.19〜2022.09.04 -
会場
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観覧料金
一般1,500円(事前日時指定予約制)
詳細は公式サイトへ
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休館日
月曜(3月21日、7月18日は開館)、3月22日、7月19日
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