高知県

ARTIST FOCUS #02 平川恒太 Cemetery 祈りのケイショウ

「ARTIST FOCUS」の第2回として、高知県田野町出身の作家、平川恒太の個展を開催する。
戦争や原爆、原子力発電所事故といった人類の負の記憶を、いかに形象化し、警鐘を鳴らし、継承していくか。3つの意味を持たせるため、あえてカタカナの「ケイショウ」をテーマに掲げる平川は、絵画を中心に様々なメディアを駆使してコンセプチュアルな制作を展開してきた。
本展では、日本の戦後美術史において長らくタブー視されてきた「戦争画」を黒絵具だけを使って描き直した《Trinitite》をはじめ、19世紀の画家アルノルト・ベックリンや小説家の福永武彦による作品から想を得た《死の島》など、作家の代表シリーズを初公開の新作を交えて紹介する。
歴史的な事件、または古今東西の美術・文学から引用したイメージや言葉が幾層にも重ねられた平川の作品は、多様な読み解きの可能性が開かれている。たとえば作家自らが付けたCemetery―「墓」を意味する展覧会名は、しばしば美術館が、作品が最終的に行き着く墓所に喩えられてきたことを想起させる。一方で、墓は生者が死者を弔い、祈りを捧げる場所に違いありません。美術館を墓=祈りの場に見立てたうえで提示される作品には、その昏さの奥に、平和を希求する思いが通底している。複数の解釈を呼び起こす平川の表現を前に、鑑賞者各々が思索を深め、自分だけの気づきを持ち帰ってほしい。

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