東京都

海老塚耕一展 空無から生じる風景 — 開く・可視

2022年3月に多摩美術大学美術学部芸術学科教授を退職する、美術家・海老塚耕一(1951~)の個展を開催する。
海老塚は石・木・鉄・水といった異素材を組み合わせ、空間に拡張していくような彫刻を作る。1980年代は主な素材に木を使用し、鑑賞者を内包する舞台装置のような作品「連関作用」シリーズを展開。90年代以降は「境界・端・限界」への関心から、それらを思考するための要素として定型をもたない「水」や「風」を主題に、彫刻のみならず版画作品も発表。近年はこれまでの主題が折り重なることで出現する、多層的な空間作品を作っている。
作家がいかに世界を捉えたのか、その眼差しが作品に顕在するならば、海老塚の作品は形態を変えながらも、変わらない作家の姿勢を色濃く表すものと言えるだろう。それは視覚により他者を捉えるのではなく、空間を通して世界に触れる術と言えるか。「見える」ことと「わかる」ことの不確かさを問い、流れるもの、固定されないもの、浸透するものと、物質を通じて交感しようと試みる。
最近の作品において、海老塚は「空無から生じる風景」という言葉をあてている。海老塚が作り出す空間の中には、絶えることのない緩やかな流れが生まれる。本展は、新作の彫刻、版画作品から作家の現在を紹介するとともに、初公開となる作品図面や資料などから足跡を辿り、作家性を紐解く。

開催概要

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