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【開館55周年記念特別展】 奥村土牛 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾―

山種美術館では、開館55周年を記念し、同館がその代表作を多数所蔵している日本画家・奥村土牛 (1889~1990)の展覧会を開催する。同館の創立者・山﨑種二(1893~1983)は、「絵は人柄である」という信念のもと、同時代の画家と直接交流しながら作品を蒐集した。なかでも土牛とは親交が深く、画業初期の頃から「私は将来性のあると確信する人の絵しか買わない」と土牛本人に伝え、その才能を見出して支援し、約半世紀にわたり家族ぐるみの交際を続けた。現在、同館には135点に及ぶ屈指の土牛コレクションで知られている。
土牛は、画家志望であった父親のもとで10代から絵画に親しみ、16歳で梶田半古 (1870~1917)の画塾に入門、生涯の師と仰ぐ小林古径(1883~1957)に出会う。38歳で院展初入選と遅咲きでありながら、展覧会に出品を重ねて40代半ばから名声を高める。美術大学で後進の指導にもあたり、101年におよぶ生涯を通じて、制作に取り組んだ。土牛は、半古や古径から学んだ写生や画品を重視する姿勢を生涯貫き、「絵を通して伝わってくるのは作者の人間性」という自らの言葉を体現するような作品を数多く生み出した。本展では、瀬戸内海の鳴門の渦潮を描いた《鳴門》や、古径を偲んで制作した《浄心》、《醍醐》などの代表作をはじめ、活躍の場であった院展の出品作を中心に、土牛の画業をたどる。
土牛という雅号は、「土牛石田を耕す」の中国・唐の詩から父親が名付けたものである。その名の通り、地道に画業へ専心し続けた土牛。80歳を超えてなお「死ぬまで初心を忘れず、拙くとも生きた絵が描きたい」、「芸術に完成はあり得ない」、「どこまで大きく未完成で終わるかである」と語り、精進を重ねた。近代・現代を代表する日本画家として、今なお人々に愛されている土牛芸術の魅力を味わってほしい。

開催概要

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近藤亜樹(1987~)は2012年に東北芸術工科大学大学院を修了し、現在山形を拠点として活躍するアーティスト。在学中より卓越した才能を評価され、絵画を中心に国内外の展覧会で精力的に発表するほか、建築や音楽とのコラボレーシ

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