東京都

松江泰治 マキエタCC

松江泰治(1963年、東京都生まれ)は世界各地の地表を独自の視点で写してきた。作家が撮影時に設けた、画面に地平線や空を含めない、被写体に影が生じない順光で撮影するといったルールは、写真の本質を問い直すような平面性を生み出している。本展では、作家がこれまでに制作してきた作品の中から、〈CC〉と〈makieta〉という二つのシリーズを、初公開となる新作も交えて紹介する。
2001年から制作されている〈CC〉は、「シティー・コード」(City Code)を略したシリーズ名の通り、 各作品のタイトルには撮影地の都市コードが付されている。ギリシャのアテネから撮影が始まったこのシリーズでは、作家が訪れた世界各地の都市の諸相が克明に写し出されている。画面全体にピントを合わせることで、奥行きが取り除かれ、画面上にあらゆるものが等しく存在している。
一方、2007年から制作されている〈makieta〉の作品にも、都市コードや地名が付されている。「makieta」(マキエタ)とはポーランド語で模型を意味し、実際の都市や自然を撮影した他の作品と同じルールで、世界各地の都市や地形の模型が写されている。エクアドル・キトの博物館に展示されていた模型を起点に、レンズを通して模型から立ち現れる風景には、現実と見紛うほどの精巧さがあり、その曖昧な境界は写真の本質を浮き彫りにしている。
ミッドキャリアでの個展となる本展では、最新作を含む二つのシリーズを通して作家の現在地を示すとともに、その表現の可能性を探る。

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