東京都

記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18

東京都写真美術館では、写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するため、新しい創造活動の展開の場として「日本の新進作家」展を2002年より開催している。18回目となる本展では「記憶は地に沁み、風を越え」をテーマとして、私たちの身体と土地、風景、 そしてその記憶との関わり合いについて、多様なアプローチで追求する作家5組6名の写真・映像表現を紹介する。
グローバル化とボーダレス化のあり方が変容し続ける社会にあっても、歴史、風習、伝承など、それぞれの地域や土地特有の記憶は様々な形で遺り続け、そこには多様な価値観が存在する。しかしながら一方で、私たちの想いは、ときに風のような軽快さをもってあらゆる境界を越え、他者と向き合う方法を見出してくれる。居続けることと移動とを繰り返してきた人類の歴史の中で、今、私たちはどのように土地・風景と対話し、他者とどのように関わることができるだろうか?
デジタルとアナログのハイブリッドによって、風景・イメージの多層的なレイヤーを作り出す吉田志穂。自身のパフォーマンスによる映像を通して、風景と個人の関係を探る潘逸舟。自然災害とそこに暮らす人々、そしてその伝承・語りを作品化する小森はるか+瀬尾夏美。10年以上にわたりアイヌの人々を撮影し、民族という類型化に疑問を投げかける池田宏。馴染みのない地域で、言語を越えて、身体と無意識の関係性を追求する山元彩香。これらの作家たちによる表現を通して、私たちの生きる現在を考える上で、ひとつの手がかりを与えてくれるかもしれない。

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