広島県

核兵器禁止条約発効記念事業 第25回平和美術展 四國五郎 平和へのメッセージ~シベリアからヒロシマへ

人類史上初めて広島に原爆が投下されて76年。核兵器の恐怖と、その非人道性を知る私たちは、核兵器廃絶、そして真の恒久平和を訴え続けていかなければならない。その一つの方策として、はつかいち美術ギャラリーでは開館以来毎年、美術作品を通して平和について考える「平和美術展」を開催している。25回目となる今回は、核兵器禁止条約発効を記念して生涯をかけて反戦・反核を描いた広島の画家で詩人、四國五郎(1924~2014)を紹介する。
広島県豊田郡椹梨村(現三原市大和町)で生まれた四國は、幼少期から絵画を得意としており、陸軍被服廠に就職後は廠内誌の表紙、挿絵などの仕事を行っていた。20歳で徴兵され、関東軍兵士としてソ連との激戦を生き抜くも、戦後シベリアの収容所で約3年半も抑留された。寒さと飢えと強制労働という過酷な環境下で、極小のノートに記録を取り靴の中に入れて密かに日本に持ち帰った。約4年ぶりに帰国した四國は、最愛の弟が原爆で亡くなったことを初めて知り、戦争・核兵器への怒りを胸に、広島に住みヒロシマに生きることを決意。その後詩人・峠三吉と出会い「われらの詩の会」で『原爆詩集』の表紙・挿絵を描き、反戦・反核運動を推進した。また「辻詩」と称し、主に峠が詩を四國が絵を描き、詩と絵を融合させた手描きのポスターを張り、言論統制の厳しい中、社会への批判や反戦のメッセージを伝える活動を行った。1955年、「あらゆる権威から自由な市民のための美術展」をめざした広島平和美術展を柿手春三、増田勉、下村仁一らと創設。またシベリアへの2度の墓参を果たし、約700枚にものぼるスケッチを描いた。生涯にわたり、本の装丁、挿絵、平和カレンダーなど膨大な作品を手掛け、広く市民に親しまれた。
本展では、母子像やヒロシマをテーマにした油彩画をはじめ、「辻詩」で描いたポスター、シベリア体験を描いたスケッチや資料、長く読み継がれている「絵本おこりじぞう」の原画など、約100点を展示する。これらの作品を通して、「生命の尊厳」「平和の大切さ」そして「過去からの延長線上である今を生き、未来へつなぐ」ことについてあらためて考える機会となってほしい。

開催概要

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