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【開館55周年記念特別展】 速水御舟と吉田善彦 ―師弟による超絶技巧の競演―

1966(昭和41)年に日本初の日本画専門の美術館として開館した山種美術館は、2021(令和3)年に開館55周年を迎える。これを記念し、同館コレクションの「顔」ともいえる日本画家・速水御舟(1894~1935)と、その弟子の吉田善彦(1912~2001)に焦点をあて、彼らが生み出した超絶技巧による作品をご紹介する特別展を開催する。
御舟は、横山大観や小林古径らから評価を受け、23歳の若さで日本美術院(院展)同人に推挙された。「梯子の頂上に登る勇気は貴い、更にそこから降りて来て、再び登り返す勇気を持つ者は更に貴い」という本人の言葉どおり、古典を基礎に次々と新たな作風や技法に挑み、40歳で早世するまで日本画壇に新風を吹き込み続けた。
一方の善彦は、17歳で姻戚関係の御舟に弟子入りし、写生や古画の模写、作画姿勢などを学んだ。また、戦中・戦後には、法隆寺金堂壁画の模写事業にも参加。これらの経験を通じて、善彦は古画の風化した美しさを追求するようになり、金箔ともみ紙(がみ)を用いた「吉田様式」と称される独自の絵画世界を生み出すにいたった。
本展において、御舟の作品では、近年の調査で西洋の顔料を使っていた事実が判明した《和蘭陀菊図》をはじめ、金砂子を地一面に使う「撒きつぶし」を用いた《名樹散椿》【重要文化財】、本人曰く「二度と出せない」色で表した《炎舞》【重要文化財】など、また善彦の作品では、「吉田様式」を初めて用いた《桂垣》や、この技法を熟達させた《大仏殿春雪》、《春雪妙義》などを展示し、二人の代表作をはじめとする優品を紹介する。
御舟と善彦は、ともに伝統的な技法を土台に精緻で独創的なアレンジを加えて、それぞれ唯一無二の画風を確立した画家。本展を通じ、御舟と善彦の師弟が追求した超絶技巧の世界を楽しんでほしい。

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