東京都

加藤翼 縄張りと島

加藤翼(1984~)は、複数の参加者による協働作業が生み出す行為を映像、写真などの作品として発表しつづけている。数多くのリサーチやプロジェクトをグローバルに展開し、高く評価される日本人現代美術家の一人。
そこに集まった人々が知恵を出し合い、ロープと人力だけで巨大な構造体を引き倒したり、引き起こす〈Pull and Raise〉シリーズは、加藤翼の代表作の一つだ。3.11を逆にした11.3(文化の日)に行われた《The Lighthouses – 11.3 PROJECT》は、東日本大震災後の福島県いわき市に集まった約500人の人々が、津波で壊された家々の瓦礫によって、灯台のイメージに組みあげられた構造体をロープで引き起こすもので、このプロジェクトの構想が契機になり、震災からの復興を目指す地区の祭事の開催へと発展した。
加藤の作品は、自然災害、都市開発、環境破壊などで地域のコミュニティが解体の危機に瀕するなか、人々が自発的に参画し、一体となって何かを実践することの意義を提示します。新型コロナウイルス感染症のパンデミックという今日の状況下において、また、国家や国民の二極化が世界的に危惧されるなか、加藤の作品は、分断や対立を超えた協働作業や連帯による可能性をあらためて気づかせてくれるだろう。

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