愛知県

開館25周年記念「水木しげる 魂の漫画展」

水木しげる、本名・武良茂(むらしげる)は、1922年に生まれ、2015年11月に惜しまれながら亡くなるまで、その93年間の生涯を現役で在り続けた。鳥取県境港で幼少期を過ごした茂は、武良家に出入りしていた近所の“のんのんばあ”に連れられて見た『地獄極楽絵図』に心を奪われ、以来、目に見えない世界に魅入られるようになる。その後、成年となった茂は戦地に召集され、激戦地・ラバウルで理不尽に多くの命が失われていく様を目の当たりにするとともに、自身も片腕を失い、生と死の境をさまよう壮絶な体験をする。復員後、茂は、この過酷な体験からますます見えない世界に注目し、魂や妖怪たちが往来する世界に創作のヒントを見出すようになった。40歳を過ぎた遅咲きのメジャーデビューを果たすまでの極貧生活時代から、押しも押されもせぬ超人気作家になってからも、水木しげるは片腕で独自の画風を模索し続けながら、かつて失われた命への慰めと、この世に生きる人々へのメッセージともいえる作品を全身全霊で描き続けた。
そう、水木しげるの世界には「魂」が宿っているのだ。
「ゲゲゲの鬼太郎」に代表される妖怪漫画で有名になった水木だが、ユーモアと皮肉、想像力あふれる短編の数々や、己の体験を基にした誰にも真似できないリアルな戦記物など、妖怪以外の漫画作品においても高い評価を得るようになる。また、近年発見された、デビュー前に描いたスケッチや絵の数々からもその画力の非凡さがうかがわれ、漫画家としてのスケールの大きさを改めて世に知らしめている。
本展は漫画家・水木しげるのこうした多才な画業に迫り、その作品の尽きない魅力を改めて探求しようとするものである。作品一つ一つに込められた「魂」を存分に味わってほしい。

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