静岡県

構図をめぐって 縦に積む/横に拡げる/奥に進む

とくに絵やイラストを描く趣味を持たない人でも「構図」という言葉は聞いたことがあるだろう。図工や美術の授業で「構図をよく考えて描きましょう」などと言われたこともあるかもしれない。 構図とは描かれる対象を画面上で組み合わせて特定の効果を上げるやり方、ということができる。ひとことでまとめればそれに尽きるのだが、この構図の工夫は、単にかたちのまとまりだけにとどまらないさまざまな感覚を観る者にもたらす。かたちのベクトルがもたらす動きや空間の感覚(昇っていく、奥へ進む、開けている、窮屈だ……)、色彩の配置がもたらす温度の感覚(温かい、冷たい……)やある種の感情(華やかだ、寂しい、厳かだ……)といったものがそれだ。がんらい色彩を塗布した平面にすぎない絵画というものがそういった身体感覚を引き起こすというのは、あらためて考えるととても神秘的なこと。
本展は、日本の近代洋画を対象に、構図に注目して作品を紹介してみようという試みとなる。

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