奈良県

山内悠「惑星」展

山内悠は、自然の中に長期間滞在し、自然と人間の関係性を見つめることで、世界について探求している写真家である。
本展で発表される「惑星」は、2014年から毎年モンゴルに通う中で撮影されたシリーズ。山内は、自然と人間が調和した世界を求めて旅をはじめ、モンゴル全土、内モンゴル自治区をめぐった。旅を終えたあと、現像した写真にあらわれた光景を見た山内は、時間や空間を飛び越え、異なる世界を行き交うような旅をしていた事に気がついたと言う。
富士山で600日間を過ごし、宇宙と地球のあいだを行き来し、絶対的な世界を捉えた前作『夜明け』の作品から、今作では「いま」というときの中で並行して存在する相対的な空間と時間をへの旅を提示している。地球の創生を思わせる鉱物の世界、自然と動物とが共存する原始的な暮らしを営む遊牧民のポートレート、現代の文明を享受する都市のスナップ。そして、どこか既視感のある未来を彷彿とさせる砂漠のランドスケープ――。
本展では山内がモンゴルで出会った、今、この瞬間に隣り合わせに存在しているこれら多元的な世界を、新作プリント約50点によって表現。それぞれの場所や個人が形成する相対的な現実の中で、何を選び、どう在るか……作品に現れた光景たちは、私達に「いま」という時のあり方を語りかけてくれるかもしれない。

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