栃木県

特別展 加守田章二 天極をさす

近代日本陶芸史に大きな足跡を残した加守田章二(1933~1983)。大阪府岸和田市に生まれ、京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)で富本憲吉らに陶芸を学んだ後、1959年に栃木県益子町で独立。益子では、灰釉・鉄釉作品の研究と制作と研究に挑み、作家として着実に評価を高め、1967年に陶芸家としては初にして唯一となる高村光太郎賞を受賞した。1969年には岩手県遠野市に移り、翌年に後の代表作となる「曲線彫文」のシリーズを発表、陶芸界を震撼させた。1970年代以降は色彩と模様と造形が一体化した作風を展開し、精力的に作品を発表し続けた。
加守田は「自分の外に無限の宇宙を見る様に、自分の中にも無限の宇宙がある」という言葉を残している。その短い作陶期間の中で、絶えず作風を変容させていったが、それは加守田が陶の本源的な境地へ向かいながら、別の次元へと跳躍していこうとする創作のプロセスでもあった。今みても色褪せることのない作品はいずれも特別な存在感を放ち、近年では若い世代や海外においても新たな愛好家が生まれている。
本展では、初期から晩年までの仕事の中から厳選して約130点を展覧。同館では約20年ぶりの回顧展となるが、今回はとくに作家として飛躍する益子時代から遠野時代前期にかけての作品の意義を再考し、あらためて加守田作品の根源と魅力に迫る。本展の副題は、高村光太郎が同賞の賞牌の原型に刻んだ詩句「いくら廻されても針は天極をさす」の一節から。信念に生きて表現を模索、ジャンルの枠組みを更新しながら、その境界を越える造形に到達した加守田章二の創造性を体感できる展覧会だ。

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