東京都

没後70年 南薫造

日本では毎年数多くの美術展が開催され、多くの観客を集めている。大規模な西洋美術展はもとより、最近では、江戸期を中心とする日本美術や、現代アートの展覧会が大きな話題となることも少なくない。そうした中で、めっきり数が減っているのが日本近代洋画の展覧会だ。東京ステーションギャラリーでは2012年の再開館以来、一貫して近代洋画の展覧会の開催を続けてきた。それは多くの優れた洋画家たちの業績が忘れられるのを恐れるからであり、優れた美術が、たとえいま流行りではなかったとしても、人の心を揺り動かすものであることを信じるからだ。
南薫造(1883~1950)は、明治末から昭和にかけて官展の中心作家として活躍した洋画家。若き日にイギリスに留学して清新な水彩画に親しみ、帰国後は印象派の画家として評価される一方で、創作版画運動の先駆けとなるような木版画を制作するなど、油絵以外の分野でも新しい時代の美術を模索した作家だが、これまで地元・広島以外では大規模な回顧展が開かれたことがなく、その仕事が広く知られているとは言えない。
本展は、文展・帝展・日展の出品作など、現存する南の代表作を網羅するとともに、イギリス留学時代に描かれた水彩画や、朋友の富本憲吉と切磋琢磨した木版画など、南薫造の全貌を伝える決定版の回顧展となる。

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