千葉県

カオスモス6 沈黙の春に

佐倉市立美術館では1994(平成6)年の開館時より、運営方針の一つである「現代美術の紹介」を目的としたシリーズ企画「チバ・アート・ナウ」を開催してきた。同企画は、千葉県の美術状況を紹介すると共に、分かりにくいとされる同時代の美術への理解を深めてもらうことを目的としている。
2003(平成15)年度からは、出品作家を県外からも招くことで、より客観的な位置に視点を置いたシリーズ企画「カオスモス」に移行。カオスモスとは、カオス(混沌)とコスモス(宇宙、秩序)を合体させた造語だが、この言葉の示すように、様々な思想や様式が融合し、分裂していく今日の美術の状況を報告すると共に、それらがどこへ向かっているのか、鑑賞者と共に考える企画でありたいと願っている。
本展では、生命や自然をモチーフとして自らの表現を追求する作家たちを紹介する。現代社会において人間の欲望は拡大する一方であり、他の生命や自然との共存をめぐっては様々な課題を抱えている。そうした中で同時代を生きる作家による多角的なアプローチは、私たちが気づかない何かを示唆してくれるように思われる。
2020年の春、新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は一変し、沈黙を余儀なくされた日々を過ごした。新たな春を迎えようとする現在も未だ出口が見えず、模索する日々が続いている。このような大きな災禍の中で、これまでにない不安を感じている今こそ、あらためて生命や自然といった根源的な問題と向きあう表現が私たちの心に何かを訴えかけてくるのではないだろうか。この機会に生命や自然との関わりを真摯に見つめる作家たちの表現を是非観てもらいたい。

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