東京都

江戸のエナジー 風俗画と浮世絵展

浮世絵の「浮世(うきよ)」は、もとは「憂世(うきよ)」と書く。中世までは、憂(う)いことの多い世の中を悲観する概念だったが、江戸時代に入りこうした厭世的なものではなく、経済生活を確立しつつあった町人たちによって“はかないこの世を享楽的に生きよう”という庶民のエナジーによって大きく変化し始めた。
絵画においても、日常生活は画題となり、庶民も絵を買い求め、絵師たちは多彩な活動を始めた。とりわけ時代を映す鏡のような風俗画や浮世絵の誕生はその最たるものといえるだろう。
本展では、静嘉堂秘蔵の肉筆浮世絵や浮世絵版画を、多数初公開。とくに肉筆浮世絵は、明治末期に海外向けに出版された豪華画集に日本を代表する名品として掲載されたものを多数含む。また、浮世絵版画も長らく公開の機会に恵まれなかった作品群である。本展では、まずは重要文化財「四条河原遊楽図屏風」や修理後初公開となる英一蝶「朝暾曳馬図」、円山応挙「江口君図」などの静嘉堂を代表する名品を紹介。その上で、この度、新出の浮世絵をたっぷりとご覧いただく。近世初期風俗画や浮世絵を成立・展開させた、溢れるばかりの江戸のエナジーは、江戸時代を通じて、江戸・上方を問わず、文化の根底に流れていたことを感じてほしい。

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