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高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.09 時どきどき想像

「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」は、独創性、将来性のある優れた作家を発掘、紹介する現代アートのグループ展として2009年から開催している。10回目という節目を迎える2020年では「時どきどき想像」をテーマとした。
「時」とは何だろうか。見ることも触ることもできないが、人間は有史以前から、例えば太陽や月の動きにより、時の存在を認識してきた。この場合、時は過去から現在、そして未来に向かって不可逆的に進んでいるように思える。その一方で、記憶を辿ったり将来を思い描いたりと、私たちは意識の中で時を自由に行き来しており、不可視のものを「想像」する力を持っている。
本展では、5人の作家による芸術表現を通して、さまざまな「時」を「想像」する。
蝸牛あや(1978年、兵庫県生)は、貝殻や石といった自然の創り出した形や色、模様に、太古の物語を紐解き絹糸で刺繍する。波や間欠泉、新生児の瞳を被写体とした井上佐由紀(1974年、福岡県生)の写真は、万物に必ず来る“ 終わり”を予感させるだろう。後藤映則(1984年、岐阜県生)は、旧石器時代の洞窟壁画や19世紀の映像装置を源泉に、3Dプリンティングを用いて、時を立体的に見ることを試みる。乾漆や漆、螺鈿の伝統技法や3Dデジタル技術を駆使した保井智貴(1974年、アントワープ生)の木彫は、人や社会が持つ記憶、それらが影響し合う様を考えさせる。大西康明(1979年、大阪府生)は、接着剤やポリエチレンシートなどの素材を用いて空洞や余白を視覚化し、“現在”を構成する空間の裏側を示唆する。
5人の作家による独自のアプローチや多様な表現に触れることで、「時」という存在について新たな「想像」が広がることだろう。

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