東京都

河鍋暁斎の底力

河鍋暁斎(1831~1889)は、毎年のように展覧会が開かれる人気の絵師だが、これまでの展覧会とは違って、本展では暁斎の本画(下絵を描き彩色を施した完成作品)を一切展示しない。展示するのは、河鍋暁斎記念美術館の充実した収蔵品から厳選した素描、下絵、画稿、宴席などにおいて即興で描かれた席画、絵手本など、暁斎の生の筆づかいが感じられる作品ばかりである。本画は完成度が高い一方で、筆勢が抑制された、いわばお行儀のいい作品と言え、彩色などには時に弟子の手が入ることもあった。また、暁斎には多くの版画作品があるが、これらは暁斎の原画を、彫師と摺師、すなわち他人の協力を得て完成させたものである。これに対して下絵や画稿類は100%暁斎の手になり、その卓越した筆力をまざまざと感じることができる。本展は、あえて本画を展示せず、暁斎の描写と表現の力量のみを、存分に味わっていただこう、というチャレンジングな試みなのだ。
※会期中展示替えあり

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