福島県

メスキータ展(福島展)

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868-1944)は、19世紀末から20世紀前半にかけて、オランダで活躍した画家、版画家、デザイナーである。メスキータは、明暗のコントラストとシャープな線が特徴的な木版画をはじめ多様な技法による版画を制作したほか、シュルレアリスムに通じる自由な発想に満ちたドローイングや、デザインの仕事も手がけた。また、長く美術学校で後進の指導を行い、美術団体の要職も務めるなど、当時のオランダのグラフィックアート界を牽引する存在だった。日本でも人気の高いM.C.エッシャーは、メスキータに大きな影響を受けた教え子の一人である。しかし、ポルトガル系ユダヤ人の家系に生まれたメスキータは、1944年に家族とともにナチスに逮捕され、ほどなくアウシュヴィッツ強制収容所で亡くなる。エッシャーをはじめとする友人や知人たちは、アトリエに残された膨大な作品の一部をひそかに運び出して守り抜き、戦後はメスキータの顕彰に努めた。メスキータの名と作品が今日まで残ったのは、そうした人々の尽力の賜物にほかならない。
本展は、ドイツの個人コレクション約230点によって構成されるもので、メスキータの日本で初めての回顧展となる。知られざるアーティスト、メスキータの魅力に触れる絶好の機会となるだろう。

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