東京都

おさなごころを、きみに

親子や幅広い年齢層がともに美術館を訪れ、誰もが持つおさなごころを体験的に問い直し、優れた芸術表現の可能性を知る「はじめの一歩」となる企画として「おさなごころを、きみに」展を開催する。
本展は、かつてこどもだった私たち―大人が忘れてしまったクリエイティブな「おさなごころ」を思い起こし、メディアテクノロジーによる作品や映像を通して、こどもと大人が一緒に楽しめる展覧会。触覚、身体、音と言葉、忘却、宇宙などをテーマとした空間を巡りながら、インタラクティブ体験、身体表現、音や文字による作品資料や映像上映、東京都現代美術館のコレクション展示を体験する。併せて、教育機関や地域と連携したオープンワークショップを会期中に展開する。
また、本展は「こどものための現代美術展」であると同時に、大人/こどもを往来する、いわばネオテニー(幼形成熟=こどもの姿でありながら大人である)的なこころのありかたをベースにしている。展示を通して、戦後から現在まで日本から世界に発信され、高く評価されている新旧のアート&テクノロジーを知る/考えることを試みる。来館者は作品表現をこまやかに鑑賞し、身体を動かして作品の一部になったり、記念写真を撮ったり宇宙に触れたりしながら、空間を巡る。そして、作品上映を楽しんだあと、展覧会の最後には、見慣れた世界の面白さを取り戻すために、「はてしない物語」(ミヒャエル・エンデ作)のように、忘れていた「本当の名前」を受け取る。老いも若きも、親子もお友だちも、カップルもおひとりさまも、まるで生まれかわるように、新たな気持ちで美術館をあとにしていただければ幸いである。芸術も社会も新たな局面を迎えつつあるいま、私たちは技術や文化の特異点(シンギュラリティ)の中にいるのかもしれない。2020年の夏から秋のひととき、誰もが内包する「おさなごころ」を思いだし、次なる表現の可能性について考える展示をぜひ楽しんでほしい。

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