東京都

【5月10日まで休館】土田圭介 鉛筆画展 心の旅 モノクロームの世界で描く心のカタチ

鉛筆で淡い縦線と濃い縦線とを無数に描き重ね、モノクロームの幻想空間を創出する個性派作家 土田圭介(つちだ・けいすけ1974年新潟県生まれ)。ミステリアスでユーモラス、ロマンティックでセンシティブ、時にノスタルジック・・・。実に様々な表情が緻密・濃密な陰影から浮かび上がり、その様相はどこか魔術的に感じられる。
土田が、一貫した制作態度で描き続けているモチーフは「心」。「心の動きは言葉では言えるが形にできない。けれども、形のないものに形をつけていくとどうなるのか、それを形にしてみたい」と語るように、心を静かに見つめ、鉛筆のみで声高に主張することなく、自分の中にあるものを掘り起こして形にする。描き出されたものは、具象でありながらも現実には存在しない、抽象と具象の中間の「形」として表現される。そして、見るものを飽きさせないメカニックな造形は、硬さを感じさせる「鉄」という素材でありながら柔らかさを見せることで、自然と機械を融合した形として、内に秘める生命力を確かに捉える。
また、土田の一番の特徴は、緻密に丁寧に一筆一筆描きこまれた縦のストローク。面で塗りつぶす通常の鉛筆画と比べると、時間のかかる効率の悪い描き方ではあるが、縦の線を重ねることで生まれる“揺らぎ”は、通常の鉛筆画が生み出す写実的なリアリティとは違い、靄がかかったような幻想的な世界が広がり、生命のリズムを感じさせる。それは、“形のないもの”に形を与えることに専念する土田のイメージした世界感を的確に表現することとなった。
公立の美術館では初めての展示となる本展では、初期の作品から新作を紹介。土田独特のモノクロームの陰影の世界に描かれる「心の形」を、各々の感じるままにお楽しみいただきたい。
※会期中、一部展示替えあり

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