東京都

生誕140年記念 背く画家 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和

1880年(明治13)に京都市中京区に生まれた津田青楓(つだせいふう、1880~1978、本名・亀治郎)は、1896年(明治29)に生活の糧として図案制作をはじめたことから画家人生の第一歩を踏み出した。歴史画家谷口香嶠に師事し日本画を学び、関西美術院では浅井忠らにデッサンを学んで、1907年(明治40)に安井曾太郎とともに渡仏。アカデミー・ジュリアンで修行します。帰国後の1914年(大正3)には二科会の創立メンバーになるなど洋画の世界で活躍し、後に洋画を離れ、文人画風ののびやかで滋味豊かな作品世界を展開していた。
青楓は文豪夏目漱石に愛され、彼に絵を教えた画家であり、漱石らの本の装幀も数多く手がけた。また、写生にもとづく創造的な図案の試みや、随筆や画論など多岐にわたる文筆活動、それに良寛研究とその成果ともいえる書作品など、幅広い交流と旺盛な制作活動で知られている。しかし、さまざまな分野で足跡を残した青楓だが、これまでまとまったかたちで作品やその生涯を紹介する回顧展は開催されていない。
青楓は、長生でもあった。青年時代には日露戦争に従軍し、203高地の激戦に居合わせ、その凄惨な体験を赤裸々に文芸雑誌『白樺』に発表している。昭和初頭には、二科展に社会思想を背景とした作品を発表し、物議をかもした。自由を求めて時代に対峙しつづけた青楓の作品は、その時代を知るための歴史資料としての側面も持ち合わせているだろう。
本展では、交友のあった夏目漱石と経済学者河上肇、それに私淑する良寛和尚と、青楓がもっとも影響を受けた3人を軸にしながら、作品や関連資料約250点を通して、明治・大正・昭和の時代を生きた画家津田青楓の生涯を振り返る。

開催概要

直前の記事

no image

郷土の画家 髙橋三兄弟展-明治生まれの澤三・五郎・重朗ー

髙橋澤三・五郎・重朗は、北甘楽郡額部村大字岩染(現在の富岡市岩染)の旧家に生まれた。父・伊蔵と母・カツはともに教育熱心であり、厳しい社会経済情勢にもかかわらず、3人を美術学校に進ませて画家・教育者に育てた。 本展では、富

続きを読む

最新一覧

美術展一覧へ戻る