奈良県

特別展 毘沙門天―北方鎮護のカミ―

四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)は、須弥山(しゅみせん)世界の四方にいて、仏教世界や仏法を守るカミ。このうち北方を守護する多聞天は、「毘沙門天」の名で単独の像としても造像、信仰され、四天王のなかでも特別の存在だった。
近年、毘沙門天像の優品が相ついで発見されている。奈良時代、8世紀制作と考えられる木心乾漆造(もくしんかんしつづくり)の像(愛媛・如法寺)や、絵の中から抜け出てきたかのような激しい運動感を示す作例(京都・弘源寺)、保安5年(1124)の年紀銘が確認された平安彫刻の貴重な基準作例(個人蔵、米国・ロサンゼルス・カウンティ美術館保管)、また仏師運慶の流れをくむ作者の手になると見られる彩色の美しい鎌倉時代の作品(同館蔵)、あるいは密教修法における調伏法(ちょうぶくほう)に用いられた珍しい双身(そうしん)(二体合体)の像(奈良・東大寺蔵)など、いずれも斯界(しかい)の研究進展に資する重要作例だ。
本展は、従来知られている毘沙門天彫像のなかから、とくに優れた作品を厳選し、それらを一堂に会することで、毘沙門天彫像の魅力を存分に味わうことのできる展覧会となる。

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