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生誕130年記念 山下摩起をめぐる画家たち

新年恒例の同館コレクションによる日本画の展覧会を開催。今回は2020年に生誕130年を迎える西宮の画家・山下摩起(やました・まき:1890〜1973)の作品を中心に、関連のある画家たちの作品や新資料を合わせて紹介する。
山下摩起は1890年、有馬温泉の旅館「下大坊」に生まれた。1910年、京都市立絵画専門学校に入学し、山元春挙、菊池契月、竹内栖鳳らの指導を受ける。1918年、国画創作協会が結成され公募展が開かれると、同展へ実験的な作品を出品し、1922年頃より油彩画の研究を始め、1928年にフランスへ留学、帰国後は公募展へ洋画を出品。
その後日本画の制作を再開した摩起は1933年に第20回再興院展に六曲一双屏風《雪》(当館蔵)を出品する。雪竹に瑞鳥という伝統的な画題を、大刷毛を用いて大胆に構成した作風は、キュビスム(立体派)の傾向が強く表れた意欲作だが、作者の意に反し右隻のみ入選という評価を受ける。その後も公募展での落選が続き、公募展への出品自体を止めてしまう。
画壇の制約とは無縁になった摩起は、大画面による作品制作への興味を深め、描き直しの困難な日本画に洋画の技法を積極的に採り入れて自由闊達に筆を揮った。1960年には大阪・四天王寺五重塔壁画を完成させるが、礼拝の対象である従来の仏画の概念を打ち破る、斬新な作風が注目されて朝日文化賞を受賞。以後、摩起の仏画は高く評価され、1973年に83歳で亡くなるまで西宮の画室で精力的に制作を続けた。
本展覧会では、代表作《雪》(1933年)をはじめ、フランス留学時代の油彩画《パンション風景》(1928年)、コラージュを独自に解釈し画面に新聞紙を貼り付けた《婦女図》(1939年)、戦後に手がけた仏画《大威徳明王》(1966年)など、同館が所蔵する山下摩起の作品14点を一堂に展示するほか、フランス留学期をはじめとした戦前のデッサン等の新資料(個人蔵)を出品。このほか竹内栖鳳、山元春挙、冨田溪仙、村上華岳、榊原紫峰、入江波光ら関連の画家たちの作品もあわせて紹介する。
同時開催の「絵画 西・東 コレクションにみる洋画と日本画のたのしみ方」では、所蔵品より油彩画と日本画の優品を展示。

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