神奈川県

シュルレアリスムと絵画 ―ダリ、エルンストと日本の「シュール」

フランスの詩人アンドレ・ブルトンが中心となって推し進めた「シュルレアリスム」は、20世紀の芸術に最も大きな影響を及ぼした運動のひとつだ。彼らは理性を中心とする近代的な考え方を批判し、精神分析学の影響を受けて無意識の世界を探究することで「超現実」という新たなリアリティを追い求めた。やがてシュルレアリスムは詩や思想だけではなく絵画の分野にも拡大し、ドイツ出身の画家マックス・エルンスト(1891-1976)による実験的な作品に美しさを見いだした。またスペインからこの運動に加わったサルバドール・ダリ(1904-1989)は「偏執狂的=批判的」方法という独自の理論にもとづいて絵画を制作し、美術だけではなくファッション界をも巻き込む大きな流行を作り出していく。

日本において1928年にブルトンが発表した『シュルレアリスムと絵画』は、瀧口修造(1903-1979)によって早くも1930年に日本語に翻訳され刊行されている。1930年代を通して「超現実主義」という訳語のもと、最新の前衛美術のスタイルとして一大旋風を巻き起こす。しかし、日本では「無意識の探求」という本来の目的を離れ、現実離れした奇抜で幻想的な芸術といて受け入れられる。そして、しだいに東洋的な思想と混ざり合いながら独自の絵画表現や「シュール」という感覚が生まれるに至る。本展は、西洋におけるシュルレアリスムの運動からどのようにシュルレアリスム絵画が生まれたのか、さらに超現実主義から、いわゆる「シュール」と呼ばれる独自の表現への展開に焦点をあてる世界で初めての展覧会である。

開催概要

直前の記事

最新一覧

美術展一覧へ戻る