栃木県

土と抽象 記憶が形に生まれるとき

戦後の現代陶芸史には、土の物質性や始原性を美の拠り所とした抽象造形がしばしば登場する。いわゆる無釉の焼締陶に限らず、成形や着色の技術を駆使し、創作的な表現として土の姿を提示する作家の動向は、窯業地の括りや特定の様式という観点では捉えきれないものがある。しかしたしかにこの系譜は脈々と存在し、21世紀に入り、いわゆるプリミティヴィズムの延長上に位置しながらもより現代的な動機に基づいて土の真性と向き合う、その営みそのものを作品のアイデンティティとする作家たちの活躍が続いている。本展では、独自のアプローチにより土の形象を追求する現代作家9名、井口大輔、泉田之也、黒川徹、五味謙二、戸田浩二、美崎光邦、三原研、宮澤章、ジェニファー・リーの表現に焦点を当てる。共通して浮かび上がる「記憶」というキーワードとともに、各々の作風から見える言葉-技の修練、幾何学性、古との対話、器形性、反復と選択、詩情など-を手がかりに、土で表現することの今日的意義を見つめる。

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