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藤井フミヤ展 多様な想像新世界 The Diversity

1983年、ミュージシャンの藤井フミヤは、初個展「Fumiyart-Take a break」を開催し、CGアーティストとして衝撃的なデビューを果たし、その後2003年には「FUMIYART」展を開催して大反響を博したが、これを機に画家としての活動を休止していた。そして、この夏、ふたたび藤井フミヤは画家として、16年間の沈黙を破り個展を開催。新作を含む約100点の作品を発表する、満を期しての展覧会である。
本展ではまず、1993年に全国9か所を巡回した初のコンピューターグラフィックス展「Fumiyart-Take a break」で発表したCGアート、2003年に発表した線画、カッターを駆使した「ハリエ」や「キリエ」等を出品、Fumiyartの原点に遡り、これまでの画業を振り返る。それらは時を経てなお新鮮で見る者を限りなく引き付ける力がある。
さらに今回、注目されるのは、絵筆やペンを駆使した初公開のアナログ作品。硬質なボールペンを用いた線を無数に集積させる藤井オリジナルの技法で制作されたペン画、19世紀末ウィーン分離派の画家クリムトの絵画に触発され、装飾的な空間の中に精緻なタッチで女性像を描いた油彩画、うずくまったポーズの女性をアクリルや水彩で描き、新しい肉体美の世界を追求した「コーナーの女」シリーズ、針金を折り曲げて制作した女性像など、多彩な技法を用いた近作、新作を出品する。時に甘美なエロティシズムが香理、時にファンタジックな夢想を喚起させる藤井フミヤのアナログ作品の多様さは、まさに驚異の連続だ。
藤井フミヤが創造する世界、それは、まさに人間の叡知とコンピューターが創りあげる新しい芸術の境地と、職人的とも言える細密表現や肉筆表現で創るアナログアートの世界。デジタルアートの先駆者・藤井が、いまアナログ世界に夢中になっていることは、創造の原点はアナログにあることを啓示しているのかもしれない。

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