岡山県

蠢動(しゅんどう) 竹喬のまなざし

季節が晩冬から早春へうつろうとき、木々の冬芽は、春への準備をはじめる。冷やかな空気が立ち込める黎明の時、わずかな朝光をうける木の枝に、竹喬はよく目を留めた。《春の芽》で小枝の先に、金平糖のように描いた冬芽は、樹という生命体の息吹、「萌(きざ)し」を捉えたといえる。
また竹喬は、樹林の雪解けのひとこまに注目した。《宿雪》や《雪餘》にみられる彼の視線は、地面や樹幹の温かさが増すことで徐々に雪解けが進む何気ない一景に、親密に向かっている。冬が終わり春を告げる、わずかな生命の蠢(うごめ)きを、ここでも「萌し」として捉えようとしている。
この「萌し」への着眼は、竹喬固有のことではなく、俳句や短歌を詠むときの発意とも共通している。そして、この微妙な季節の移ろいを鋭く捉え、控え目に表現する在り方は、日本の文学と美術にも広く通じる。竹喬作品にはこのまなざしが底通しており、日本の詩歌の勘所、その根底にある美意識を視覚化しているともいえるだろう。
今回の企画では、素描などを含めた竹喬作品約80点から、竹喬の透徹したまなざしを通して捉えられた、日本の風景「萌し」を紹介する。

開催概要

  • 会期

    2019.02.082019.04.21
  • 会場

  • 観覧料金

    一般500円(400円)

    ※高校生以下は無料 (学生証を提示してください)
    ※65歳以上は無料(年齢のわかるものを提示してください)

    詳細は公式サイトへ

  • 主催

    笠岡市立竹喬美術館
  • 休館日

    月曜日(2月11日は開館)、2月12日

  • 開館時間

    09:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
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