東京都

岩本拓郎 すべての いろと かたち

「すべての いろと かたち」。一辺わずか11センチの正方形の画面にそれが沸き立つように溢れている。
40年以上にわたって無類の抽象絵画を描き続ける画家・岩本拓郎(いわもと・たくろう、1951年島根県生まれ)。東京藝術大学在学中より発表をはじめた岩本は、鮮烈な絵画を次々に生みだし続けている。1992年に東京国立近代美術館の「形象のはざまに」展に招待出品。都城市立美術館(1993年、宮崎)、駒ケ根高原美術館(1995年、長野)で大規模な個展がおこなわれたほか、2004年には府中市美術館で公開制作・作品展示および連続講演会を実施。近年では、関口美術館(2017年、東京)において新作を主体とした個展を開催した。彼のみずみずしい表現は多方面から高い評価をうけ、東京国立近代美術館、栃木県立美術館、府中市美術館、都城市立美術館など全国各地の美術館に作品が所蔵されているほか、病院や学校、ホテルなど多数の施設に作品が設置され、利用者の眼と心をひきつけている。
絵の具の重なりが生みだす響きや、自由な描線によってつくられる豊かな形象。岩本の絵画は、画面の境界を超えて輝きをはなち、音楽のように私たちをとらえて離さない。さまざまな概念のしばりをほどくように展開されてゆく岩本の絵画のうちには、あらゆる〈いろ〉、あらゆる〈かたち〉が存在している。「―全ての色、全ての形―それがどんなに小さくても、宝石のように光り輝き、野に咲く花のように、生命感に溢れ、それがどんなに小さくても広大な宇宙を感じさせるような、そんなものを描きたいのです」(2017年9月5日)と岩本は語る。
〈SQUARE-STROKEシリーズ〉〈アブストラクトペインティングシリーズ〉など、いくつもの表現展開をもつ岩本だが、このほど、数年来取り組んできた11㎝角の画面による表現が〈SQUARE-11シリーズ〉としてひとつの完成をみた。本展では、同シリーズの700点を超える作品群から30点を厳選し、シリーズ初のこころみとして展観する。本展開催にあわせて新たに制作される連作、本展につながる2000年代の作品群も必見。
会期中には、対談や、音楽家とのコラボレーションによるライブペインティング、展示室でのミニコンサートなど、多彩なイベントも開催する。

開催概要

直前の記事

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 世界文化遺産登録記念 クアトロ・ラガッツィ 桃山の夢とまぼろし ―杉本博司と天正少年使節が見たヨーロッパ

国際的に活躍する現代美術家の杉本博司は、2015年にイタリアのヴィチェンツァにあるオリンピコ劇場を訪れた際、天正少年使節が描かれた16世紀末の壁画と出会う。イエズス会主導のもと九州のキリシタン大名がヨーロッパに派遣した少

続きを読む

最新一覧

美術展一覧へ戻る