沖縄県

葛飾北斎 琉球八景展

浦添市美術館では、浮世絵(錦絵、多色刷りの木版画) 「琉球八景」を所蔵している。琉球八景を描いた葛飾北斎(1760-1849) は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、89年の生涯に版画や肉筆画など多くの絵を描いた。富嶽三十六景の「神奈川沖浪浦」や市井の人々を表情豊かに捉えた「北斎漫画」などがよく知られている。
「琉球八景」は全八枚で構成され、琉球の景勝地が描かれている。しかし、北斎が異国である琉球を訪れたわけではない。この連作が制作されたのは1832年。その年は、第11代将軍徳川家斉の代替わりにあたって慶賀のための江戸上りがあり、江戸では琉球関連の出版物が多く出回るなど琉球ブームだったようだ。北斎が参考にしたのは、その前年に徳川幕府が刊行した『琉球国志略』という書のなかの挿絵「球陽八景」だったと言われており、その書は、中国皇帝の使者である冊封使の周煌という人物が、皇帝への報告書として1757年にまとめたもの。球陽八景の元となった挿絵は、1719年に来琉した冊封使・徐葆光が天使館(冊封使の宿泊施設) の周辺の景勝地を詠んだ漢詩「院旁八景」の情景などを描いたものと考えられている。本展は「琉球八景」とあわせ、校合摺りを展示する。

開催概要

直前の記事

最新一覧

美術展一覧へ戻る