和歌山県

産業と美術のあいだで 印刷術が拓いた楽園

美術の表現は、美術の周辺からしばしば力を得ている。それは、私たちの生活の実用的な需要に応える産業であることも少なくない。なかでも印刷術は、美術の表現にもっともよく影響を与えた産業技術のひとつと言えるであろう。日本は、おもに木版の技術により、古くから印刷文化を誇る国。高度に洗練された浮世絵や書籍、身の回りの品々までが作られてきた。明治に入って、文字の印刷には活版が、図版の印刷には銅版、木口木版、石版の技術が西欧からもたらされて近代的な印刷産業が発展し、多様な技術による印刷物が発行されていった。 ひとりひとりの生活のなかにもたらされた印刷物は、新鮮な視覚体験をもたらし、また産業としての印刷の担い手たちのなかにも、実用的な需要に応えるあいだに、印刷技術のなかにある版の創造的な側面に着目する人が現れた。そして複製を前提とした挿絵などの制作にとどまらず、印刷術を創作の技法に展開させた版画が広く関心を集める。油彩画などの画面のなかにも印刷物が描かれ、あるいは貼られ、一般的な絵画のイメージとして統一された絵画空間に異質なものを加えることで、作品の印象を変える効果をあげている。
本展では、印刷術という一つの産業が、いかに私たちの美術の表現を豊かな、新鮮なものにしてきたかを印刷資料、版画、絵画などを通して展観する。

開催概要

  • 会期

    2018.04.142018.06.24
  • 会場

  • 観覧料金

    一般510(410)円
    大学生300(250)円

    ※(  )内は20名以上の団体料金
    ※高校生以下、65歳以上、障害者の方、県内に在学中の外国人留学生は無料
    ※第4土曜日(4月28日、5月26日、6月23日)は「紀陽文化財団の日」として大学生無料

    詳細は公式サイトまで

  • 主催

    和歌山県立近代美術館
  • 休館日

    月曜日(4月30日は開館)
    5月1日

  • 開館時間

    09:30〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
  • お問い合わせ

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