東京都

琳派ー俵屋宗達から田中一光へー

2018年は、江戸へ琳派を根付かせた酒井抱一(1761-1828)の没後190年、およびその弟子である鈴木其一(1796-1858)の没後160年にあたる。同館ではこれを記念し、俵屋宗達・尾形光琳・抱一を中心に花開き、近代・現代の日本画家やデザイナーに受け継がれた琳派の伝統をたどる特別展を開催。17世紀、京都で活躍した俵屋宗達は、やまと絵の様式を基盤としながら、デフォルメやトリミングといった斬新なアレンジにより、装飾性と意匠性に富んだ独自のスタイルを確立。また、宗達が下絵を描き、本阿弥光悦が書を記した一連の作品では、平安時代の料紙装飾をモデルとしながら、書と絵が見事に響き合っており、グラフィックデザインに通じる感性をみてとることができる。こうしたデザイン性豊かな造形は、18世紀の光琳に継承され、19世紀に入ると、大名家出身の抱一がさらなる洗練を加え、いわゆる江戸琳派の様式を確立した。本展では、当館が所蔵する琳派コレクションを中心に、宗達(絵)・光悦(書)《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》(山種美術館)、光琳《白楽天図》(個人蔵)、抱一《秋草鶉図》【重要美術品】(山種美術館)、其一《四季花鳥図》(山種美術館)をはじめとする琳派の画家の優品を一堂に展示。特に、近年、修復を行った同館所蔵の伝・宗達《槙楓図》(山種美術館)は、本展が修復後初のお披露目となるので必見。また今回は、近代・現代における琳派の継承のあり方にも注目。日本画では、菱田春草や速水御舟、福田平八郎、加山又造など、琳派に影響を受けた名だたる画家たちの作品を通じて、装飾性や平面性など、琳派の造形をいかにとらえ、自己の画風に取り入れていったのか、その過程を見つめる。さらに、「琳派は〈日本のかたち〉の原型だ」と述べ、琳派のエッセンスを随所に散りばめた作品を数多く発表したグラフィックデザイナー・田中一光のポスターもあわせて展示し、17世紀の宗達・光悦に始まり、20世紀の田中一光へと受け継がれた琳派の造形の魅力に迫る。

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