静岡県

ヴィンテージ香水瓶と現代のタピスリー ラリックとバカラを中心に

タピスリーとは、織物用語では綴織(つづれおり)の技法をさし、一般的にはこの技法で織られた室内装飾用の壁掛けを意味する。綴織は強く張った経糸(たていと)にさまざまに染織した緯糸(よこいと)を用いて絵画的な文様を表すもので、古くから多くの地域で制作され、わが国においては京都西陣で制作される帯などが広く知られている。今回出品するタピスリーも京都の美術織物を専門とする工房に資生堂が制作を依頼し、岡鹿之助や前田青邨など当時の画壇を代表する作家の原画を元に、制作されたもの。
香水瓶は、フランスの装飾工芸家 ルネ・ラリック(1860-1945)と、クリスタルガラスのブランド、「バカラ」が手掛けた作品を採り上げる。アール・ヌーヴォーからアール・デコに至る時代、香水産業が飛躍的に発展するにつれて、一部の香水は現代では考えられないほどの贅を凝らした瓶やケースに入れられ店頭を飾るようになった。その時代を代表する香水瓶の担い手が、ルネ・ラリックとバカラだったと言えるだろう。
ラリックは独自のイマジネーションに基づいた、幻想的な小彫刻のような作品群を、バカラはクリスタルメーカーとしての実績を生かしながら、輝きと透明感というガラス本来の魅力を生かした作品を次々に生みだした。本展では、ラリックとバカラの代表作を約100点展示し、香水と香水瓶が真の贅沢を謳歌していた時代の片鱗を目の当たりにしてもらいたい。
タピスリーと香水瓶、この二つは共に工業製品と位置付けられるものの、今回展示するような品々は、現在では芸術性の高い美術品と位置付けられている。生活を彩った豊かな装飾芸術の世界を紹介する。

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